を書く。或る子は絵でスケッチをやる。そうかと思うと詩がある。工場新聞の切りぬきに、自分の批評をつけたものを書くジャーナリズムむきの子もある。それぞれみんなが、力をこめた自主的制作をまとめて、級の成果とするのだ。
一つのいい知慧があれば、プロレタリアート・農民の建設的社会ではそれを出来るだけ大勢の役に立て、みんながそのいい知慧をわがものとして活用するように! 所謂社会主義競争の本質的な基礎教育が、既に小学校のうちに与えられる訳なのだ。
階級的自治の訓練は、この時代から行われている。各級には、衛生委員、従業委員、社会活動委員等がある。それらの委員から一級一人ずつの代表が出て、学校長、教師代表、労働組合からの代表などと一緒に学校委員会を組織する。
遠足をやるにしても、遠足の実行委員があげられ、行先、時間割、見学予定、旅費その他を研究する。級の討議で決定する。――ソヴェト同盟で教師は、ほんとに指導者なのだ。
このように有効に組織されている小学校へ、全同盟の学齢児童を経費国庫負担で包括しようというのがソヴェト同盟五ヵ年計画文化活動の一大事業だ。
何しろ、帝政時代のロシアの小学校、特に農
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