動の分野をひろげ、各地方に支部を組織した(ロカフの組織は、ラップとどの点でも対立したものではない。ラップに属する作家が、または全露農民作家協会《ヴオクプ》に所属する作家が、同時にロカフに加入している)。
 一九三一年に入って、ロカフは「モスクワ・ロカフ」「レンバルトロカフ(レーニングラード・バルチック・ロカフ)」の他「タトロカフ(タタール共和国のロカフ)」「セヴカウロカフ(北コーカサス・ロカフ)」「スレダズ・ロカフ(中央アジア・ロカフ)」その他まで拡張した。
「ロカフ」が組織されて一年近く経った。
 今のところロカフに属する作家たちの書く作品の題材は、主として国内戦時代、歴史的な過去の事件からとられている。今日のわれわれの赤軍について、その社会主義建設の役割についてジックリ書かれた作品というのは極く少い。今日の、平和時代の赤軍はまだ充分紹介されないのである。
 モスロカフ(モスクワ・ロカフ)は、それより前、夏期の野営《ラーゲリ》を組織し、そこでロカフの作家たちが軍事知識の吸収と文学活動をやるようにした。
 レンバルトロカフも五月に入るとロカフ主催の軍事講習会を催した。十四回の講義で、「
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