会の任務は、先ず職場にいる研究会員の従来のような余技的な文学興味への引こもりをやめさせて、工場内の工場新聞、壁新聞と密接な結合を持つこと。一九三〇年の秋の新経済年度から、文学研究会は大衆の生産経済計画《プロフィンプラン》に対する理解と、それを充実する熱心を、工場新聞、壁新聞をとおして、あらゆる文学的表現で鼓舞してゆくことにあると定義した。
このラップの指導方針は、プロレタリア文学の新しい交代者を養成するためには、根本的な意義をもつ注意であった。
折角新しい社会関係で労働に従事し、新しい生活で鍛えられつつある若者が、芸術と生産の間にブルジョア文化がもっていたような分裂へ逆転して、既成作家が揚棄しようとしている欠点を自分達の文学修業の出発点としたりするようなことがあれば、それはとりかえしのつかぬ誤りである。
丁度、第十六回ロシア共産党大会が終ったばかりの時、『文学新聞』に注目すべき工場労働者の決議文が現れた。それは、ソヴェトで労働大衆とプロレタリア作家とがどんなに有機的に手を結び、社会主義社会の建設のために共同作業をやろうとしているか。労働大衆が、自分たちの文学としてのプロレタリア文
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