レタリア作家連盟を中心として、彼等が社会主義の敵か味方かを決議しようとする大衆の前に立ったわけである。
「大衆の中へ!」というスローガンのかかげられていた時代に書かれた作品としてはマヤコフスキーの「南京虫」「風呂」。ベズィメンスキーの「射撃」「変人」。リベディンスキーの「英雄の誕生」等がある。
これらは、工場内の官僚主義に対する諷刺、プロレタリア技術発展への翹望、小ブルジョア的感傷、淫酒、淫煙の排撃。工場内ウダールニクを組織しようとする若い労働者たちの歴史的使命など、それぞれに当時の段階を反映した社会的な内容をもっている。
未組織の勤労者の、階級的良心を、正当な評価において見なおしたのが「変人」であった。
労働者は、組合からの半額切符で、メイエルホリド座へ行った。そしてマヤコフスキーの「南京虫」を見物したが、作者の諷刺と演出者の誇張しすぎて表現派風なこり[#「こり」に傍点]かたは、民衆によくわからなかった。
リベディンスキーは、ロシア・プロレタリア作家の頭株の一人であるが、その長篇「英雄の誕生」は一般の注意を呼び起すと同時に、疑問をも引おこした。小説の主人公は、経歴あるボルシェ
前へ
次へ
全121ページ中20ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング