った。工場、役所の内部では、新しい溌溂たる生産能率増進のために、官僚主義排撃が、盛に行われた。
反革命的異分子の清掃が、あらゆる部門にわたって積極的に行われはじめた。
間断なき週間制によって、五日週間を働くようになった一般勤労者は、職場職場で、生産能率増進のウダールニクを組織し、家へかえる道々には、例えばモスクワ市立銀行の屋根に、赤く翻るプラカートを見た。そこには大きい字で書いてある。
「|我等のところ《ウナス》では、清掃《チストカ》が|行われている《イディオット》」と。
これは、ひろい大衆に向ってなされた階級性の新たな自覚への召集であった。その銀行内に、内部の者の知らない反革命的分子がもぐりこんでいるかもしれない。諸君、それを知らせろ! そういう呼びかけである。
ソヴェトの五ヵ年計画は、大衆の日常生活のプログラムを変化するとともに、次第次第に大衆の気分をもかえて来た。どんな小さい隅っこの職場に働いている労働者も、社会主義社会の建設のために自分が無関係ではないことを前にもまして自覚した。厳密な階級的批判が全同盟内で、新たな勢をもりかえした。
ソヴェトの作家たちは、ロシア・プロ
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