に着いた先頭部隊は、すぐ横列に開展し始めた。スーラーブは、最後に高地を降る一隊と馬を進め、平地に出ると、数十歩駈けさせ、軍の最前列に出た。イラン軍とは、僅に百ザレほどの間隔しかなかった。彼のところからは、彼方の兵卒の一つ一つの顔まで見えた。彼等は、比較的平静な弓形の濃い眉が陰気につながった顔で、珍らしそうに、獣でも見るように、ツラン方を眺めている。小走りに駈けながら、隊の後方につこうとしている者共の、じろじろ此方を見る顔にも同じ表情があった。
スーラーブは、馬をかえし、自分の軍列を一廻りした。左翼の端れにはフーマンが黒い馬の手綱を引きしめながら、何か、低い、激しい声で、傍の者に命じていた。右翼の端にバーマンが、凝っと正面を見て、あし毛の馬に騎っていた。彼はスーラーブを認めると、顔付もかえず、義務的な風でちょっと右手を挙げた。用意はよろしいというのだ。スーラーブは、元の場所に戻った。イラン方でも仕舞いのざわめきが鎮まった。何ともいえない静けさが張り切った。太陽は一息つき、一きわきららかに両軍の頭上に照り渡った。――
すると、ツラン勢の後方から、心臓をつき上げるように、一打ち、強い羯鼓
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