をのせ合うようにして寝ている。規則正しい鼾の音が、夜の静寂の深さを計るように聞えた。ルスタムは、機敏に機会を捕え、木の葉のようにその眠っている兵等の間に辷り込んだ。顔を地に伏せ彼はきき耳を立てた。天幕の中では確に未だ起きていた。何か物をずらす音、咳の声、人が動いて話をしている気勢がする。落付くと、ルスタムは、三人の男の声のうち、一番若い、徹るのが、彼のいる場所からは右手、燎火に近い側から響くのをきき分けた。何かの上にこごみかかって手を動かしでもしながら口をきくと見え、声は、今はっきり響いたかと思うと、次には後尾が曖昧に圧えつけられてかすむ。
ルスタムは、神経を集注させ、その声が一つ処に落付くのを待った。バタンと、重い蓋でも落したような音がし、ひっそりした。やがてまたぼそぼそと語り出した。ルスタムは、顔を伏せたまま、肱でずるずると、声の来る側とは正反対の左方に自分の体を動かした。そして、微かな光の洩れて来る天幕の縫いめのすきを見つけ、膝をついてその高さまでのび上り、片目をよせて内部を覗き込んだ。光に眩い彼の瞳には、案の如く一人の若者の姿が、殆ど正面に映った。今時分、自分を天幕の外から隙
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