境遇のさせる業と思う。卿がありもせぬところにまで己の種を求める心根を察しると同情を禁じ得ぬが――余りよろこばしいことではないぞ。男が眼を開いて夢を見るのはよくない。出かけよう。出かけて真相を確めれば却ってさっぱりしてよかろう」
けれどもルスタムは二日の間何方にも決定しかねた。彼はこの不決断を、ギーウに殆ど罵られた。彼は、黙ってそれを受けた。
ルスタム自身も、自分の心が妙に活々した力を失い、ぼんやりした而も頑固な逡巡に捕えられているのを知っていたのだ。
ギーウの言葉に外から腰を押されるようにして、ルスタムは遂に条件つきの出動を承知した。健康が勝れないという理由で、彼は、一切の責任を避けた。そしてほんの観戦の積りで出るということになった。ルスタムはギーウに「何しろ王はああいう性質だから、後々詰らぬ面倒を起こすことになっても始まらぬ。――奉公の、今度こそ仕納めに、出かけることにしよう」と云った。けれども、衷心では、ツランから来たという若者に対する不思議な好奇心を制することが出来ず、彼は、それだけに牽かれて、自分の体力が衰えたという危惧もすて、出かける決心をしたのであった。
ギーウは、
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