直にまた馬を飛ばしてツスに帰った。ルスタムは、種々な感情に満されながら、出発の用意を整えた。少数の親兵だけを従えて行くことになった。幾年ぶりかで城の広場に武具が輝き、馬の嘶《いななき》や、輜重《しちょう》をつみ込む騒ぎが、四辺に溌溂とした活気を撒いた。
ルスタムは、その間を彼方此方に歩いて指図したが、彼は、ふと妙な心持に打たれることが屡々あった。どうかしたはずみに、この夥しい騾馬《らば》の群、血気熾な男達をつれて自分は何処へ行くのかと思うと、行手は、まるで見知らぬ国の霞の中にでも消えているように杳《はる》かな、当のない心持がするのであった。
それに気がつくと、ルスタムは私に愕いた。老耄の徴だろうか? 彼は、あんな遠い奇怪なアザンデランに出かける時でさえ、数年前の自分は確信と勇気に満ちていたことを思い出した。
二十七
何方から云っても、ルスタムの出発は地味なものであった。彼はギーウが帰えってから五日目の払暁、静にシスタンの城を立った。二日の間、北へ北へと、砂漠のふちを進み三日目の夕暮、ツスから真直に間道を突切って来た王の全軍と合した。
カイ・カーウスは、派手な
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