あった。彼の言葉つきはどうであろうとも、彼が尽してくれる真心、賢い忠言に変りある筈はない。昼前中二人は、望楼にいた。スーラーブは、アフラシャブの所へ送るべき密使のこと、至急調るべき糧食、武器などのことに就て、相談した。
十九
急なことであるにも拘らず、準備は、何も彼も、都合よく運んだ。殊に、スーラーブが、私かに最も不安に感じていた糧食の問題が、案外好結果に解決されると、彼は自分の計画全部に対する吉兆のように喜んだ。
アフラシャブの許に至急送られた密使も、二十日後、スーラーブの、満足する返答を得て来た。アフラシャブは、スーラーブのこの度の企てと、彼自身が主将として行きたいという希望は、快よく容れる。援軍としては、一万の兵と信用ある五人の副将とを送ろう。但し、若しイランで勝利を得たら、後は、アフラシャブの命を待って事を進めること。万一失敗すれば、サアンガン領は没収する。というのである。
スーラーブは、内心微笑を浮べて、勝手なアフラシャブの条件を聴取した。彼方から寄来すというフーマン、バーマンなどという戦士は、ツランでは第一流の戦士である。彼等が数年前アフラシャブの
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