と、それを足場にして、利得を得ようとするだろう。イランを、仮にも攻撃すると信じさせるに、サアンガンの軍勢ばかりでは余り貧弱だ。アフラシャブは、サアンガンの兵に混ぜて自分の勢力をイランに送って置けば、何かの時ためになると思うに違いない。ツランの力を分裂させるためにも、万一父の必要によって、その勢いを転用するにも都合がよい。加勢を、無頓着に受けてやろう、という考えである。互に連絡を持ち、敷衍されて行くうちに、策略の全体は、益々確かりした、大丈夫なものに思われて来た。
 スーラーブは、自分の決意と、着想に深く満足した。すっかり夜が明け放れたらしようと思うことを順序よく心に配置し、彼は、誰にも見られず、自分の寝所に戻った。
 ほんの僅かの時間であったが、スーラーブは、近頃になく、四肢を踏みのばし、前後を忘れて熟睡した。
 彼は、目を醒した時、思わず寝過したのではあるまいかと愕いて飛び起きたほど、ぐっすり睡った。スーラーブが、元気で、心に何か燃えているもののあるのは、手洗水を運んで来た侍僕の目にさえ止まった。別に愛想よい言葉をかけたのでもないが、彼の体の周囲には、何処となく生新な威力に満ちたとこ
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