じ得る証がなかったか。今朝の、大らかな晴々した五色の虹の光彩が最も厭うべき薄情な明るさで心の裡に半円を描いた。ルスタムは、震える手でスーラーブの頭を膝に抱きあげ、顔を視守ったまま、大きな声で、
「ギーウ! ギーウ!」
と叫んだ。ギーウはすぐそこにいた。ギーウばかりではない。ツランとイランの全軍がついそこにいた。スーラーブの刺されたのを認めた両軍は、一方は悲傷の黒い波のように、一方は勝利の旗のように、中央めがけて突進して来た。が、突然、思いがけないルスタムの挙動が彼等の歩調をのろくさせ、やがて全く停止させた。彼等、数名の眼が、二人の戦士を遠巻きにし、戦いを忘れ、畏怖に打たれてじっと一点に注がれているのだ。ギーウは、のぞき込んで二人を見較べた。
「何事だ?」
ルスタムは、訴えるように、汗と涙でよごれきった顔をあげた。
「見てくれ。最後の手柄に息子を殺した。――信じられないことが事実になった。すぐ王の処へ行って、血止薬を貰って来てくれ。チンディーの名薬がある筈だ。簡単に、速く!」
ギーウが戻る迄、ルスタムは、傍の者を恐れさせた程真剣な、つきつめた一心に夢中になった様子でスーラーブの傷に手
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