いほど御美くしいのがたたって。ネエ、それに違いありません。美くしさを司る神がそのあんまりの美くしさをねたんであんなに御させしたんです。大奥様もそう云っていらっしゃいましたワ。神にねたまれるほどかがやかしい子を生んだ私もわるいのかも知れないとネ」
紅は斯う云いながらしずかに乳のみ子のようにね入って居る光君の上に被衣をきせかけながら云う。ねて居たと思った光君は着せ終ってそうとひこうとする紅の裾をしっかりとにぎってほほ笑みながら、
「つれない人、そんなにしずと、マアしずかにして居て、私はこんなに泣いて居るのに」
なおぎゅっとにぎりながら急に淋しいかおになって、
「私の命は段々と花のしもに合うようにネー貴方も一緒に行って下さる? 美しい国に……、青い波につつまれて……やわらかい若草がもえたって小川の源の杜に赤い鳥が――アアアア悲しい! 何故、アア二人きりで、ネエ」
紅は――若い紅は、あこがれの多いような光君の言葉をものぐるおしい人の言葉とは思えなかった。きをかねるように乳母は、と見るとねに行ったのか影はない、頬をポッと赤くしながら絵の中の人になったようにそこにそうっと座った。ほのぐらい中
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