た。
「白い鳥がとんで居る、□[#「□」に「(一字不明)」の注記]ラ、ネ、あんな立派に、その背にのって居る私達は、うれしい、まるで、ネエ」
紅はそっと目をふいた。乳母は目をつぶって珠数をつまぐって居る。
光君は手をのばしていきなり紅の手をとった。
「この手と彼の人の手と同じ形をして居る、不思議なもんだこと。あんなきれいなかわいい人もやっぱり人間だと見えて、同じ手をもって居るらしかったけれど、アラ、彼の人が怒り出してしまった。かんにんして下さい、美くしい方。青い雲がながれて、虫がないて、私が笑って、貴方が笑って、人が笑って……、アラアラ、鳥が飛ぶ、私達の心のようにネエ」
手をいきなりはなして、人形をしっかりだいて、コロリとよこになったきり光君はもうねてしまって居る。
「私達も気が違って死んでしまった方がましですワ。ほんとうにこんな御うつくしい御方がネエ、これから先にも、これからあとにも、こんなことは又と有りますまいものを」
紅はそのみやびやかなね姿を見ながら、しずんだ、おっとりした声で云う、目はうるんで居る。
「エエ悪い神の御もちゃになって御しまいになったんです、あんまりねたまし
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