表情を理解するだけでもおどろくべきものだ。
 ○「ああ 一寸姐さん」と立つ関さんの後を
 「ワアー たあたん」
 と忽ちかけ出す
 「ああ あぶない」
 誰かがかけ出す
 ○風呂=バシャバシャ

   足のかわがすりむけてる

母「ほら御覧なさい、こんなになってるからお靴はけませんよ」
 暫く眺めて居て、
「いたーい」
「チチンぷいぷい」をしてやる
子「いたいとこ、どこいった?」
母「お山、あっちのお山」
子「いたいとこ、お山で何みてゆだろう」
私「谷みてる」

     夢

一、三角の家
 雪がある。船頭のような男と二人歩いて行くと、向うにずらりと並んだ長屋が見える。一間ずつ[#横長の長方形を五つに区切った長屋の絵(fig4206_04.png)入る]一かわ[#縦長の長方形を六つに区切った長屋の絵(fig4206_05.png)入る]こう一側並んで居。
 一間のなかにいろいろな人間がいろいろにして暮して居るのが見える。夫婦さし向いで食事して居るの、年よりと子供が炬燵《こたつ》に当って居るの。真白い布団に真赤なしかけを着た遊女が一人横になって居るのまで。きれいで可笑しい、何だか。する
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