活動は本年中どう動くかということは、これこそ実に数百万の小説を読む人々が自分たちの運命についてどこまで自分の主人になりうるかという問題と関連しています。日本の民主主義勢力が日本の民主化をおし進める努力とその成果との対照なしにいえないことです。
本年度は勤労人民の中からの文化活動は、経済的な苦痛を打開しようとするたたかいとともに活溌になります。組織的にいえば、組合の文化部は前年度の経験によって、だんだん文化の過小評価をなくしてきたし、サークルの指導者たちは文学その他の文化的活動がいわゆる「文化的」な勤労者らしくないさまざまの栄養をうけていることについて十分な注意をよびさまされてきています。
たとえば四七年十二月にもたれた新日本文学会の大会で行われた文学サークル協議会の報告は、これらの活動家やサークル員の一人一人がごく自然なかたちで、人民の文学というものが、ジャーナリズムとばかり結びついた「流行作家」たちの実存主義や肉体主義あるいは客観主義と、どんなにちがうかということを実感しはじめています。
本年は、このサークルや職場の人々の間にもたれる文学コンクールの成績が、一そう文学的に評価さ
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