最初の社会主義社会が生んだ文学として、値うち高い成果を示している時、婦人作家たちは、共同の戦線に立ってまた独特の筆致と着眼とで、プロレタリア文学の発展に参加した。

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(一九四九年一月加筆)
 一九三一年、十月、十一月、十二月とかかれたこの文章はここで終っている。まだあとのつづきがあるらしい調子で、しかしここで終っている。もしつづけて書いたとしたら、どんなことが書かれるべきであったろうか。それは、これらの婦人作家たちが労働組合の文学サークルや赤軍の文学サークルで、指導者としてどんな風に活動しているか、ということについてだったろうと思う。それから若いコムソモールの男女から、労農通信員《ラフセルコル》の中から、わかて[#「わかて」に傍点]の作家が生れはじめて来ていることなどについてであったろうと思う。アンナ・カラヴァーエ※[#濁点付き片仮名「ワ」、1−7−82]は一九三〇年にオソアビアヒムの文学サークル指導をしていたし、同じ年赤軍の文学サークルの作った戯曲「第一騎兵隊」を完成上演させるために努力した。
 当時からいままでに、ただ、二〇年がすぎたのではなかった。ナチスの
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