の中に全力的に生きることによって、目覚ましい作家活動を開始したのだ。
 ソヴェト同盟の新社会の焔は、経験のある男の作家たちに言葉で云えない程の若返りをさせた。同時に大衆の中から多くの新しいプロレタリア作家を立ち上らせた。
 バーベリが、短い強い文体で独特な手法を示しながら国内戦の豊富な大衆的経験を主題とする短篇を発表しはじめた。
 六十一歳のセラフィモヴィッチが、壮大な革命的叙事詩「鉄の流れ」を完成した。
 一ヵ月たった十ルーブリ(一ルーブルは一円)で田舎の小学教師をしていたこともあるニェヴェーロフが一九二〇年にはタシケントに行って、類の少い佳作「パンの町タシケント」を書いた。
 一九一八年の党員で、フルンゼと一緒に赤色戦線で働き、クバン駐在赤軍政治部長をやった若いドミトリ・アンドレーウィッチ・フールマノフは、ボルシェビキ作家の誇、「チャパーエフ」(日本訳、赤色親衛隊)、「反乱」などをわれわれに与えた。グラトコフの「セメント」、フセワロード・イワーノフの「装甲列車」、ファジェーエフの「壊滅」等、みんなこの前後に発表されたものだ。
 男の作家たちが、めいめいの傾向に相違はありながら、世界
前へ 次へ
全39ページ中36ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング