として毎日接触するのは、プロレタリア革命の下に新しい社会生活に入った勤労大衆だ。彼女はこの新しい経験から「熊使い」を書いた。一九二一年の新経済政策はカラヴァーエ※[#濁点付き片仮名「ワ」、1−7−82]に「岸」という小説を書かせている。カラヴァーエ※[#濁点付き片仮名「ワ」、1−7−82]の作品はどちらかというと事務的で、文章に性格がなく新しい味わいにとぼしい。が、日常の活動がきっちり党、大衆の建設力と結びついているため、主題が他のどの婦人作家よりも進展的だ。彼女はもちまえの頑丈な体でドシドシ前進するソヴェト同盟の社会情勢と並んで進み、前進する一つの社会的階程にあてて一つずつの作品を書く精力をもっている。
 例えばここに一人の労働婦人があって、ソヴェト権力確立とともに生産の中へ働くようになり、働くことによって次第に自身の文化を高め、政治的にもプロレタリアートの女として確《しっか》りした意識を持つように成長して来つつある。同じことがソヴェト同盟の婦人作家についても現れた。
 革命は彼女達を書斎から、教室からもっとひろい、もっと激しい社会主義社会建設の真只中へひき出した。婦人作家たちは、そ
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