術作品はこの技術上の発見で一段と輝きを増した。
ところで、他の婦人作家たちだ。
レイスネルのように戦線にこそ立たなかったが、ソヴェト同盟の新社会建設の文化的事業の中で、一刻の猶予なく活動しているうちに、生活は充実し、見聞と観察とは深まり、小説を書かずにいられないような心持になって来た。
ソヴェト同盟のこの時代は、一日が一世紀にもつっかう時代だった。日常生活における猛烈な旧いものと新しいものとの噛み合い、新しい社会力の勝利、困難な、然し英雄的な大衆の建設力などの強烈な印象は、これまで小説なんぞ書いたことのない者の心さえ掴んだ。マメにつけられた日記一冊が、これまで世界文学のどこにもなかった記録の一つとなり得た時代だった。
セイフリナの短篇処女小説「パウルーシュキンの出世」が書かれた。相当評判がいい。続いて中篇小説「四つの頭」が『シベリアの火』というシベリア地方の指導的な文学雑誌に現れた。写実的な手法でセイフリナは自分が活動の間に理解し、見聞を蓄積した地方ソヴェト農村の階級的闘争を書き出した。
「十月」革命の当時はレーニングラード附近の新しい学校で図画の先生をやっていたフォルシュはそ
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