た。革命は彼女の「わきを通り過ぎた」。
「十月」はそんな工合にあらわれたとしても、それに引きつづいてすぐソヴェト同盟の建設という大事業がやって来た。
ソヴェト権力はロシアじゅうの古くさくて権柄な村役場を、農民の村ソヴェトにかえた。書類は今までと違うように書かれ、憲法は「働かざるものは食うべからず」ということから書かれるようになって来た。
学校だって、きのうまでのロシアの学校ではない。教育方針は根本からの建て直しだ。あらゆる学校は「学問をすべての勤労者に」という立場から文化を、専門技術を人民のものとして身につけ高める為にこそ動くようになって来た。
いたるところに新しい活動がおこり、いるのは人手だ。あらゆる場所でいるのは、社会主義社会というものを理解し、その建設のために骨おしみをしない人だ。ソヴェト権力は、この巨大な新建設の要求のために、ドシドシ有能な市民の自発性を抱擁した。その新しい社会の働きてとしての価値においては男、女の旧い区別は消されている。
セイフリナは十月革命の時にもう舞台をやめて、オレンブルグ地方で図書館監督をしていた。ケレンスキー内閣の時分、彼女は社会革命党に属して
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