中にいそいで突こむ。――
夕方の六時から真夜中まで働かなければならなかった。僅の暇をぬすんで本を読む。
「お前は本なんか読まないで、寝る方がいいんだ!」
ルトーニンの忠告は全然当はずれではなかった。力の過剰のために、無細工な若者ゴーリキイが疲労で鈍くなるまでの労働であった。
この時期に、ゴーリキイの心持にとって代えるもののなかった祖母が死んだ。葬式がすんで七週間後に従兄から手紙が来て、それを知らせた。句読点のない短い手紙の中には、祖母さんが教会の入口で施物を集めて倒れながら足を折った、と書いてあった。丹毒にとりつかれた、と書いてあった。もっと後になって、ゴーリキイの知った祖母の生涯の終の有様は彼を震撼した。二人の従兄弟と子もちのその妹――健康な若い者ども――が祖母の首にかかり、彼女の集めた施物によって食っていたのであった。八つの時ゴーリキイが、五|哥《カペイキ》、十|哥《カペイキ》を稼いでやった、その祖母さんに。
ゴーリキイは「私の大学」の中に短く圧縮した表現で書いている。「私は――泣かなかった。唯――思い出す――まるで氷の風で私は捉えられたようだった」と。祖母がどんなに心から
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