マクシム・ゴーリキイの伝記
――幼年時代・少年時代・青年時代――
宮本百合子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)夷苺《のいちご》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二十|哥《カペーキ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)モルト※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]人の
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前書
一九三六年六月十八日。マクシム・ゴーリキイの豊富にして多彩な一生が終った。恰度ソヴェト同盟の新しい憲法草案が公表されて一週間ほど後のことであった。ゴーリキイはこの新憲法草案の公表によって引き起されたソヴェト同盟内のよろこびと、世界のそれに対する意味深い反応とを見て生涯を終った。それより前に、ゴーリキイが重病であるという記事を新聞で読み、毎朝新聞を開く毎にその後の報知が心にかかっていた。新しい憲法草案公表のことが報道された時、私はその事から動かされた自分の感情の裡に、ゴーリキイが自分の生涯の終りに於てこの輝かしい日に遭遇したということを思
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