方も或る点非常に機械的になってしまった。
個人個人の間の恋愛形態が社会にどれだけ連帯責任をもつかということよりはむしろ旧時代の恋愛および結婚生活が絶対のものであるという私有財産制から発生したブルジョア一夫一妻制の宗教的考えを打破するに急であった。
だけれども現在は建設時代に進んで居るから、恋愛、家庭生活、結婚ということが各個人の社会人としての連帯責任に基礎を置いて居るということがはっきりして居る。
だから万一一人の共産党青年が片っ端から女を引っかけてゆくとする。それを恋愛は自由であるからとして放任して置くかというと全然反対である。余り非社会的な行為をする場合には共産党青年団の中で、同志的制裁を加えるか、反省を促される。
女の社会的価値を無視したことをやれば勿論除名もされ得る。けれどもそれだけが第一の問題となって除名されるということはない。
つまりそういうことをするのがその男の社会連帯責任を無視する一つの実例として見られるのだ。
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お互の性的関係は先ず第一に衛生問題であって、性的慾望をいろいろ宗教的に決めてしまったり、そこへ妙な道徳観を拵えたりする
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