も年が若くてもマルクス・レーニン主義を充分知らなくても、構内に入っている電車を暴走させて人の命を奪って、これで日本の流血革命だなどといって手を叩いてよろこぶような若者はいない。三鷹電車区の細胞にはそんな馬鹿は一人もいない。また、そこまで私は馬鹿にわをかけた者ではない。私は革命がそのような過激な手段によって達せられるものではないと考えている。」
「われわれマルクス・レーニン主義の党は、働く大衆をもっとも愛し、その幸福をもっともよろこぶことができ、その不幸をもっとも悲しむことができる。働く大衆の一人を失うことをわれわれは最大の悲しみとするのである。だからすべての人の先頭に立って闘うことができる。その一員たるわれわれになぜこのような無謀なことができようか。」「このような検察当局の行為は、かつてナチスのヒットラーがやったことと何ら変らない。これに対してわれわれは死をとして徹底的に闘う。否、日本の民主主義を愛する人はみんな徹底的に闘うだろう。民主主義の潮流に逆行する現在のファッショ的存在は、全世界の民主主義を愛する人により徹底的に糺弾され断罪されるときがくるだろうということを私はいいたい。日本の
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