。
自分が折角よい様にさせて上げ様と思うのにきかれなかったり妙な眼付をして、
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「お※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]ちゃんの髪は何て云うの。
暑いでしょう。
随分妙な結い方ねえ。
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などと云われると、※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子はすっかり悲しくなって仕舞って、長く遊んで居るときっと又厭になるだろうからもう明日から来ても会いますまいと思う事が十度に一度は無いでは無かったけれ共、一度お久美さんの口から其のまるでお話の様に可哀そうな身上話を聞いてからと云うものは、年に似合わない真面目さが加わって、※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子は、どんな事が有っても私はお久美さんを大切によくしてあげなけりゃあならない、そうするために私共は仲よしに成ったのだと思いきめて仕舞った。
その気持が今日になるまでざっと七年程も確かに取り守られ保たれて来ようとは※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子は勿論お久美さんにしろ思いも掛けて居なかった事である。
※[#「くさかんむり/惠」、
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