の位喜んだか知れなかった。
そこの主婦も知り家も知って居る※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子は大変に好いと思ったけれ共、お関達の承諾を受ける事は殆ど不可能な事だろうと云う事に思い及ぶと、どうしたものかと云う躊躇が起った。
そんな事を不用意に頼んでやった事を自分の不行届きとして悔まなければならなかったけれ共、先ず話し丈けも仕て置こうと云うので、その日早速※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子はお久美さんを訪ねた。
いつもの通り畑道を歩きながら、※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子は東京からの手紙を見せた。
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「斯う云ってよこして呉れたんですけれど、
貴女どうするの、私は好いと思うけれど。
「そうねえ。
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お久美さんはその手紙をだらりと下げたまんま呆やり立って居たが、
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「私矢っ張り極らないわ。
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と元気なく云って、※[#「くさかんむり/惠」、第3水準1−91−24]子に手紙を返した。
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「そう。
でも貴女この間
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