聞の人が来た。
その人がかけて行って、警察へ入るのを見届けてかえって来て、
一人のホボをつれて行っちまった。同時に文学新聞の二人、(地区の者です)つれてゆかれた。
――――――――――
おっかさんの家で
小学校三年生の男の子が様子を見てゆく。
「誰もいねえんだ」
警察へ行って
「うちのかあちゃんや何かいない?」
「何だ子供のくせに! しばっちゃうぞ」
「何だ大根じゃあるまいし!」
入って行って見ると総立ちに[#「総立ちに」に傍点]なっている。
「無駄だったよ」
原っぱへ行こう、
どこがいい
真中がいいよ
あしたっからどうする?
私は褓母をさがし おっかさんがかわり番こに世話をすることにする。
三月まで弾圧が来なかった。
三月十一日に又三人やって来た。雪ふり。十四人子供がいた。デモにも行ったお母さん、笹井、私、労救の人。
「おやつの前で 今困るんですよ」
二階からにげる
〔欄外に〕新井光子はこの頃。
二十日からいよいよひどい。
四月一日――一杯新しい保母でやった。
五月一日の日に 又つれて行ってしまう。
品川労働者クラブの人を三人たのんでい
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