社会主義者を殺せという、
 直ぐ隣りの一人の四十七八の男
 手帖を出し
「一度肉体死するや其霊魂は」
と節をつけて文章をよんで書いて居る。

 十月十日 甘粕事件 公判開始

 十月二十日
 白菊の盛、蠅多き秋
○国男折角来たのに「居たって何にもなりゃしない」

 翌年 仕事をし始める。
 四月十一日 伊太利亜の古陶、心の河、それをしまって野上さんのところへ行ったときYに会う。
   二十二日 Y来 散歩。
   二十八日 鎌倉
 五月六日 Yと活動を見る。
   九日 安積に立つ。
 五月二十八日 Y、安積へ来る。一日かえる。
 四日、自分 Yのところへゆく。五日 林町〜電話、かえる。
 六日 朝aから電話 夜、青山へかえる。
 六月 七日八日二日、“do you still love me?”
 A料理して私にたべさせ、返事をせまる。
 別れると返事す。A 鳥籠を破る。

○「一旦結婚して男はとても一人で居られるものではない。肉体的な意味でなしに。――女はそうではないかもしれないが」

 いじくる。(何を考えて居るか)
 草木の手入れの仕方
 庭のやかましさ、

 Aの大工仕事。傍
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