反抗の小爆発ではなかったか。
私たちは、多くの労働争議が、唯物史観に基づいて行なわれ、唯物史観に基づいて罰せられることを知っている。
この小さな物語も、その一つの定められたる軌道を出《い》で得ないことは、私の筆を、渋らせ、進み難くする。だが、それは、(以下八字不明)、***な勝利は得られるものでないという事実の前に忍従して、私は筆を進める!
この航海は、暴化《しけ》の前の静けさであり、暴化のあとの寂しさであった。
それは、そんなことのあとには普通のことであった。そしてその普通のことは、労働者階級にとっては悲しいことであり、つらいことであった。憤慨すべきことであった。が、資本家にとっては、まだ食い足りないことであり、手ぬるいことであり、歯がゆいことであったが、やや「愉快」なことでもあった。だが、それは何だ? 私はまたあまり先走りすぎた。それは横浜についてからのことだ!
今度の航海――横浜入港は、どの船員の心にも大きな期待を持たれていた。そして出帆も四日ごろまでは早くてもかかるのだった。正月の一日はだれでも休むのだ。そして、彼らは一様に、――ちょうど炎天の下を強行軍する軍隊の兵士
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