するように話して見ます……」彼は確信でもあるもののようにあわててそこを立ち去ろうとした。
四三
船長は帰って来た。
ボースンは、水夫たちへ「無分別」をしないように頼みに行こうとしているところへボーイはチーフメートの室へ現われた。
「チーフメートさん、スタンバイだそうです。船長は今ブリッジに上がられました」
そのままボーイは去ってしまった。
何と言うこったろう。「始末がつかない」ボースンも、チーフメーツもこれからなぐり合いでもしそうな格好で、二人《ふたり》向き合ってそこに突っ立っていた。
「とにかく、お前はおもてへ行ってスタンバイしてくれ、何とでもごまかして水夫らを働かしてくれ! 僕もすぐ行くから」チーフメーツはようやくそういうと、急いで帽子をとった。
ボースンは追っかけられた猫《ねこ》のように、おもてへ飛んで行った。
チーフメーツはブリッジへ駆け上がった。右の手には要求書を引っつかんでいた。
船長はスタンバイをかけたのに、チーフメーツがフォックスルに現われないので、彼女との別れ前からそのまま保っていた幸福感が、爆発しかけていたところであった。彼はチーフメ
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