めて、そう言って、自分の室へ行ってしまう。そうするとその仕事はきっと五時には済む。普通より一時間だけ余分に働いて、二倍以上の骨を折ったのだ!
 彼らは「やりじまい」という「わさびおろし」で自分をすりおろすのだ!
 それは、陸上における請負仕事、あるいは「せい分」仕事、と同じものだ。
 「やりじまい」の仕事で、時間のおくれるのは、それは労働者に「腕がない」のであった。仲間から言っても、それは「だらしのない」ことだった! 自分からいえばそれは「自業自得」であった。そして、資本家から言えば、「だからこれに限る」のだった。それで、「おれたちがもうかる」のであった。
 彼らは、ほとんど骨の髄までも冷たくなって、夕方、ほかの水夫たちが、飯を食ってしまったあとでようやく、その「やりじまい」を終えた。それは彼らの言うのが正当であった。「やりづらい!」と。

     三九

 一切はともかくも順当に行った。
 高架桟橋からは、予想以上に、石炭を吐き出した。それは黒い大雪崩《おおなだれ》となって、船艙《せんそう》へ文字どおりになだれ込んだ。仲仕は、その雪崩の下で、落ちて来る石炭を、すみの方へすみの方へと
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