※[#「やまいだれ」、第3水準1−88−44]だれの方を用ゐる人多し。
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○正誤 前々号墨汁一滴にある人に聞けるまま雑誌『明星』廃刊の由《よし》記したるに、廃刊にあらず、只今印刷中なり、と与謝野《よさの》氏より通知ありたり。余はこの雑誌の健在を喜ぶと共にたやすく人言《じんげん》を信じたる粗相《そそう》とを謝す。
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[#地から2字上げ](三月一日)

 二月二十八日 晴。朝六時半|病牀《びょうしょう》眠起。家人|暖炉《だんろ》を焚《た》く。新聞を見る。昨日帝国議会停会を命ぜられし時の記事あり。繃帯《ほうたい》を取りかふ。粥《かゆ》二|碗《わん》を啜《すす》る。梅の俳句を閲《けみ》す。
 今日は会席料理のもてなしを受くる約あり。水仙を漬物の小桶《こおけ》に活《い》けかへよと命ずれば桶なしといふ。さらば水仙も竹の掛物も取りのけて雛《ひな》を祭れと命ず。古紙雛《ふるかみびな》と同じ画《え》の掛物、傍《かたわら》に桃と連翹《れんぎょう》を乱れさす。
 左千夫《さちお》来り秀真《ほつま》来り麓《ふもと》来る。左千夫は大きなる古釜を携へ来りて茶をもてなさ
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