準1−93−66]良詩《くいけらし》昔見四従《むかしみしより》肥坐二※[#「奚+隹」、第3水準1−93−66]林《こえましにけり》
讃岐《さぬき》の国に渡りける時|吉備《きび》の児島の逢崎にて
逢崎《おうさき》は名にこそありけれはしけやし吾妹《わぎも》が家は雲井かくりぬ
美作《みまさか》に在ける時故郷の酒妓のもとより文おこせければ
春の田をかへす/″\も妹が文見つゝし居れば夜ぞあけにける
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妹に関する歌は実に元義の歌の過半を占め居るなり。[#地から2字上げ](二月二十日)
元義の熱情は彼の不平と共に澆《そそ》ぎ出されて時に狂態を演ぜし事なきに非《あらざ》るも、元来彼は堅固なる信仰と超絶せる識見の上に立ちて自己の主義を守るを本分としたる者にして、決して恋の奴隷となりて終るが如き者に非ず。さればその歌に吾妹子の語多きに対してますらをの語多きが如きまた以て彼が堂々たる大丈夫《だいじょうぶ》を以て自《みずか》ら任じたるを知るに足る。ますらをの歌
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西蕃漢張良賛
言《こと》あげて雖称《ほむとも》つきじ月の没《い》る西の戎《えみ
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