し》の大丈夫《ますらお》ごゝろ
望加佐米山
高田のや加佐米《かさめ》の山のつむじ風ますらたけをが笠吹きはなつ
自庭妹郷至松島途中
大井川朝風寒み大丈夫《ますらお》と念《おも》ひてありし吾ぞはなひる
遊于梅園
丈夫《ますらお》はいたも痩《や》せりき梅の花心つくして相見つるから
失題
天地《あめつち》の神に祈りて大丈夫を君にかならず令生《うませ》ざらめや
鳥が鳴くあづまの旅に丈夫が出立《いでたち》将行《ゆかん》春ぞ近づく
石竹《なでしこ》もにくゝはあらねど丈夫の見るべき花は夏菊の花
業合大枝を訪ふ
弓柄《ゆつか》とるますらをのこし思ふこととげずほとほとかへるべきかは
[#ここで字下げ終わり]
元義は妹《いも》といはでもあるべき歌に妹の語を濫用《らんよう》せしと同じく丈夫《ますらお》といはでもあるべき歌に丈夫の語を濫用せり。此《かく》の如き者即ち両面における元義の性情をあらはしたる者に外ならず。[#地から2字上げ](二月二十一日)
元義は大丈夫を以て、日本男児を以て、国学者を以て自ら任じたるべく、詠歌《えいか》の如きは固《もと》よりその余技に属せしものなら
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