る者にして球の行く処すなわち遊戯の中心なり[#「この球こそこの遊戯の中心となる者にして球の行く処すなわち遊戯の中心なり」に白丸傍点]。球は常に動く故に遊戯の中心も常に動く[#「球は常に動く故に遊戯の中心も常に動く」に白丸傍点]。されば防者九人の目は瞬時も球を離るるを許さず[#「されば防者九人の目は瞬時も球を離るるを許さず」に白丸傍点]。打者走者も球を見ざるべからず[#「打者走者も球を見ざるべからず」に傍点]。傍観者もまた球に注目せざればついにその要領を得ざるべし[#「傍観者もまた球に注目せざればついにその要領を得ざるべし」に傍点]。今|尋常《じんじょう》の場合を言わば球は投者《ピッチャー》の手にありてただ本基《ホームベース》に向って投ず。本基の側には必らず打者《ストライカー》一人(攻者の一人)棒《バット》を持ちて立つ。投者の球正当の位置に来れりと思惟《しい》する時は(すなわち球は本基の上を通過しかつ高さ肩《かた》より高からず膝《ひざ》より低くからざる時は)打者必ずこれを撃《う》たざるべからず。棒|球《ボール》に触《ふ》れて球は直角内に落ちたる時(これを正球《フェアボール》という)打者は
前へ
次へ
全17ページ中8ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
正岡 子規 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング