又同じ集に
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題しらす 曾根好忠
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夏衣《なつころも》立田河原の柳かけすゞみ[#「すゞみ」に白丸傍点]にきつゝならすころかな
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とあり。此時既に「すゞむ」いふ動詞も出来たり。
金葉集にも
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秋隔一夜《あきひとよをへだつ》といへる事をよめる 中納言顕隆
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みそきするみきはに風の涼し[#「涼し」に白丸傍点]きは一夜をこめて秋やきぬらん
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百首歌の中に秋立心をよめる 春宮大夫公実
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とことはにふく夕くれの風なれと秋たつ日こそ涼し[#「涼し」に白丸傍点]かりけれ
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の外に
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水風暮涼といへる事をよめる 源俊頼朝臣
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風ふけは蓮《はす》の浮葉《うきは》に玉こえて涼し[#「涼し」に白丸傍点]くなりぬひくらしの声
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といふ夏の歌を載せたり。此より後今日に至る迄歌には初秋にも涼しといひ又盛夏にも涼
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