しといひ両様の意味に用うる事とはなりたり。
連歌及び俳句にては「涼し」「涼風」「涼み」などを夏季と定め、秋季には特に「秋涼」「初涼」「新涼」等の語を用うる事と定まりぬ、蓋し「すゞし」といふ語は初め
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三伏の暑気退きて秋涼漸く至る[#「三伏の暑気退きて秋涼漸く至る」に傍点]
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の意に用ゐられたる者が、後には
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三伏の暑気灼くが如き中に[#「三伏の暑気灼くが如き中に」に傍点](風又は水等のために[#「風又は水等のために」に傍点])特に涼しく感ず[#「特に涼しく感ず」に傍点]
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るの意に変じたるなり。
底本:「日本の名随筆37 風」作品社
1985(昭和60)年11月25日第1刷発行
1997(平成9)年2月20日第13刷発行
底本の親本:「子規全集 第一二巻」講談社
1975(昭和50)年10月発行
※底本では「稍《やや》」を除くすべてのルビに「〈原〉」の注記が付されています。
入力:門田裕志
校正:土屋隆
2004年6月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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