屋に横たえている事は、まるで古風なラッパのように埃っぽく悲しくなる。生※[#「さんずい+垂」、235−7]が煙になって、みんな胃のふ[#「胃のふ」に傍点]へ逆もどりだ。
ところで呆然《ぼんやり》としたこんな時の空想は、まず第一に、ゴヤの描いたマヤ夫人の乳色の胸の肉、頬の肉、肩の肉、酢っぱいような、美麗なものへ、豪華なものへの反感! が、ぐんぐん血の塊のように押し上げて、私の胃のふ[#「胃のふ」に傍点]は、旅愁にくれてしまった。
外へ出る。
町には魚の匂いが流れている。
公園に出ると、夕方の凍った池の上を、子供達がスケート遊びをしていた。
固い飯だって関いはしないのに、荒れてザラザラした唇には、公園の風は痛すぎる。子供のスケート遊びを見ていると、妙に切ぱ詰った思いになって、涙が出る。どっかへ石をぶっつけてやりたいな。
耳も鼻も頬も桃のように紅くした子供の群が、束子《たわし》でこするように、キュウキュウ厭な音をたてゝ、氷の上をすべっている。
一縷の望みを抱いて百瀬[#「百瀬」に傍点]さんの家へ行く。
留守。
知った家へ来て、寒い風に当る事は、余計腹がへって苦しい。留守居
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