#「しゃぼん」に傍点]の泡のように白いものずくめ、薄いものずくめだ。
 閑散な、お上品なこんな貿易店で、日給八拾銭の私は売り子の人形、だが人形にしては汚なすぎるし、腹が減りすぎる。
「あんたのように、そう本ばかり読んでも困る、お客様が見えたら、おあいそ位云って下さい。」
 酔っぱいものを食べた後のように歯がじん[#「じん」に傍点]と浮いた。
 本を読んでいるんじゃないんです。こんな婦人雑誌なんか、私の髪の毛でもありはしない、硝子のピカピカ光っている面を一寸覗いて御覧下さい。水色の事務服と浴衣が、バックと役者がピッタリしないように、何とまあおどけた厭な姿……。
 顔は女給風で、それも海近い田舎から出て来たあぶら[#「あぶら」に傍点]のギラギラ浮いた顔、姿が女中風で、それも山国から来たコロコロした姿、そんな野性な一本の木が、胸にレースを波たゝせた水色の事務服を着ているのです。
 ドミエの漫画! 何とコッケイな、何とちぐはぐな鶏《にわとり》の姿!
 マダム・レースや、ミスター・ワイシャツや、マドモアゼル・ハンカチの衆愚に、こんな姿をさらすのが厭なのです。
 それに、サーヴィスが下手だとおっし
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