る。
 見極めのつかない生活、死ぬか生きるかの二ツの真蒼な道……。

 夜になれば、白人国に買われたニグロのような淋しさで、埒もない唄をうたう。

 メリンスの着物は、汗で裾にまきつくと、すぐピリッと破けてしまう。実もフタもない此あつさでは、涼しくなるまで、何もかもおあずけで、カツ一丁上ったよッ! か――。
 何の条件もなく、一ヶ月卅円もくれる人があったら、私は満々としたいゝ詩をかいてみたい、いゝ小説を書いてみたい。
 バカヤロ、バカヤロ、お芙美さん!
[#改ページ]

   海の祭

 七月×日
 ちっとも気がつかない内に、かっけ[#「かっけ」に傍点]になってしまって、それに胃腸も根こそぎ痛めてしまったので、食事も此二日ばかり思うようになく、魚のように体が延びてしまった。
 薬も買えないし少し悲惨な気がする。

 店では夏枯れなので、景気づけに、赤や黄や紫の風船玉をそえて、客を呼ぶのだそうな――。じっと売り場に腰を掛けていると、眠りが足らないのか、道の照りかえしがギラギラ目を射て頭が重い。
 レースだの、ボイルのハンカチだの、仏蘭西製カーテンだの、ワイシャツ、カラー、店中はしゃぼん[
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