並のを二丁くんな。」
鏡にすかして、雨が針のようにふっている。私は九州の長崎の思い出に、唐津物を売っていた頃、よく父が巡査になぐられたのを思い出した。
――こゝに吾等は芸術の二ツの道、二ツの理解を見出す。人間がいかなる道によって進むか、夢想! 美の小さなオアシスの探求の道によってか、それとも能動的な創造の道によってかは、勿論、一部分理想の高さに関係する。理想が低ければ低いほど、それだけ人間は実際的であり、この理想と現実との間の深淵が彼にはより少なく絶望的に思われる。けれども主として、それは人間の力の分量に、エネルギイの蓄積に、彼の有機体が処理しつゝある営養の緊張力に関係する。
緊張せる生活はその自然的な補いとして創造、争闘の緊張、翹望を持つ――。女達が風呂に出はらった後の夕暮れの女給部屋で、ルナチャルスキイの、実証美学の基礎を読んでいると、こんな事が書いてあった。
科学的に処理してある言葉を見ると、どうにも動きのとれない今の生活と、感情のルンペンさが、まざまざと這い出て私は暗くなる。勉強したいと思う、あとからあとから、とてつもなくだらしのない不道徳な野性が、私の体中を馳りまわ
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