ンと、鹿児島と千葉の呆然《けむり》のような女達が、カフェーのテーブルを囲んで遠い古里に手紙を書いている。
街に出てメリンスの帯一本買う。壱円弐拾銭(八尺)
何か落ちつける職業はないかと、新聞の案内欄を見る。いつもの医専の群、ハツラツとした男の体臭が汐のように部屋に流れて、学生好きの、八重ちゃんは、書きかけのラブレターをしまって、両手で乳房をおさえて品をつくる。
二階では由ちゃんが、サガレン時代の業だと云って、私に見られた羞かしさに、プンプン匂う薬をしまってゴロリと寝ころんだ。
「面白くないね。」
「ちっとも。」
私はお由さんの白い肌を見ると、妙に悩やましかった。
「私これで子供二人生んだのよ。」
お由さんはハルピンのホテルの地下室で生れたのを振り出しに、色んな所を歩いて来たらしい。子供は朝鮮のお母さんのとこにあずけて、子供のでない男と東京へ流れて来ると、お由さんはおきまりの男を養うためのカフェー生活。
「着物が一二枚出来たら、銀座へ乗り出そうかと思っているの。」
「いつまでもやる仕事じゃないわね。」
春夫の車窓残月の記[#「車窓残月の記」に傍点]を読んでいると、何だか、
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