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 ――放浪記を愛読して下さいます方へ! 私の放浪記が一冊にまとまって、改造社から近刊されます。一人でも沢山の方が読んで下さいましたら、うれしゅうございます。これは筆者からのお願い。――
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   雷雨

 七月×日
 胸の凍るような佗しさだ。
 夕方、頭の禿げた男の云う事に、「俺はこれから女郎買いに行くのだが、でもお前さんが好きになったよ、どう……。」私は白いエプロンをクシャクシャにまるめて、涙を口にくゝむんだ。
「お母アさん! お母アさん!」
 何もかも厭になって、二階の女給部屋の隅に寝ころぶ。鼠が群をなして這っている。
 暗らさが瞳に沈むと、雑然《ごろ/\》と風呂敷包みが墓場の石塊のように転がって、寝巻や帯が、海草のように壁に乱れている。
 煮えくり返えるような階下の雑音の上に、おばけでも出て来そうに、シンと女給部屋は淋しい。
 ドクドク流れ落ちる涙が、ガスのようにシュウシュウ抜けて行く。悲しみの氾濫、何か正しい生活にありつきたい。
 何か落ちついて本が読みたい。

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しゅうねん強く
家の貧苦・酒の癖・遊怠の
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