する。
黒人の子が馬に乗って出て来た。門のそばにこわれた門番の小屋みたいなのがあって、白と蒼と青との風景、砂利が遠くまでつゞいて、所詮は私のような者の来るところでもなさそうだ。
地図のある、赤いジュウタンの広い室に通されると、白と黒のコスチウム、異人の妻君って美しい、遠くで見るとなお美しい。さっき馬で出て行った男の子が鼻を鳴らしながら帰えって来た。
男の異人さんも出て来たが、大使ではなく、書記官だとかって事だ。夫婦共脊が高くてアッパクを感じる。
その白と黒のコスチウムをつけた夫人に、コック部屋を見せてもらう。コンクリートの箱の中に玉葱がゴロゴロしていて、七輪が二ツ置いてあった。此七輪で、女中が自分の食べるのだけ煮たきするのだと云う。まるで廃屋のような女中部屋、黒いよろい戸がおりていて、石鹸のような外国の臭いがする。
結局ようりょう[#「ようりょう」に傍点]を得ないで門を出る。ゴウソウな三年町の邸町を抜けて坂を降りると、吹き上げる十二月の風に、商店の赤い旗がヒラヒラ暮れ近かく瞳にしみた。
人種が違っては人情も判りかねる。どこか他を探して見様かしら。
電車に乗らないで濠ばた
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