している間に、私の番が来た。桃色の吸取紙みたいなカードを渡すと、月給参拾位い……受付女史はこうつぶやくと、私の体を見て、まずせゝら笑って云った。
「女中じゃいけないの? 事務員なんて、学校出がウヨウヨいるんだから……女中なら沢山あってよ。」
後から後から美しい女の花束、真にごもっともさまで私の敵ではない。疲れた彼女達の中にも、冬らしい仄かな香水の匂いがする。
得るところなし。
紹介状は、墨汁会社と、ガソリン嬢。伊大利大使館の女中。
ふところには、もう九拾銭あまりしかない、夕方宿へ帰えると、街に働きに出る芸人達が、縁側の植木鉢みたいに並んで、キンキンした鼠色のお白粉を塗りたくっている。
「昨夜《ゆうべ》は二分しかうれなかった。」
「やぶにらみじゃ買い手がねえや!」
「これだって好きだって人があるんだからね。」
「はい御苦労様か……。」
十四五の少女《むすめ》同志のはなし。
十二月×日
ワッハ ワッハ ワッハ 井戸つるべ、狂人になるような錯覚がおこる。マッチをすって眉ずみをつける。
午前十時。
麹町三年町の伊大利大使館へ行く。
笑って暮らしましょう。
顔がゆがみま
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