トライキは、えれ短かゝったなあ――。」
「ほんまに、どっちも不景気だけんな。」
船員達が、ガラス窓を拭きながら、話している。
私はも一度、青い海の向うにポツンとした島を見た。
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淫売婦と飯屋
十二月×日
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さいはての駅に下り立ち
雪あかり
さびしき町にあゆみ入りにき
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雪のシラシラ降っている夕方、私は此啄木の歌をふっと思い浮べながら、郷愁《かなしさ》を感じた。便所の窓を明けると門灯がポカリとついて、むかあし山国で見たしゃくなげ[#「しゃくなげ」に傍点]の紅い花のようで、とても美しかった。
「姉やアお嬢ちゃんおんぶしておくれッ!」
奥さんの声がする。
あゝあの百合子と云う子供は私に苦手《にがて》だ。よく泣くし先生に似て、シンケイが細々として、全く火の玉を脊負っているような感じだ。
せめてこうして便所にはいっている時だけが、私の体のような気がする。
――バナヽ、鰻、豚《トン》カツ、蜜柑、思いきりこんなものが食べてみたいなア。
気持が大変貧しくなると、落書したくなる気持ち、豚《トン》カツにバナナ私は指で
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