につく。
縁側に腰かけて、日向ぼっこしていると、黒い土から、モヤモヤ湯気がたっている。
五月だ、私の生れた五月だ。歪んだガラス戸に洗った小切れをベタベタ張っていたお母さんは、フッと思い出した様に云った。
「来年はお前の運勢はよかぞな、今年はお前も、お父さんも八方塞りじゃで……。」
明日から、此八方塞りはどうしてゆくつもりか! 運勢もへったくれもあったものじゃない、次から次から悪運のつながりだ。
腰巻きも買いたし。
五月×日
かしま[#「かしま」に傍点]はあんまり汚ない家なので、まだ誰も来ない。
お母さんは八百屋が借してくれたと云って大きなキャベツを買って来た。キャベツを見ると、フクフクと湯気の立つ豚カツでもかぶりつきたいな。
がらんとした部屋の中で、寝ころんで天井を見ていると、鼠のように、小さくなって、色んなものを食い破って歩いたらユカイだろうと思った。
夜の風呂屋で、母が聞いて来たと云って、派出婦になったらと相談した。いゝかも知れない。だが生れつき野性の私である。金満家の家風にペコペコする事は、腹を切るより切ない事だ。だが、お母さんの佗し気な顔を見ていたら、涙が
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