貧しい娘さん達は
夜になると
果実のように唇を
大空へ投げてやるのですってさ

青空を色どる桃色桜は
こうしたカレンな女の
仕方のないくちづけ[#「くちづけ」に傍点]なのですよ
そっぽをむいた
唇の跡なんですよ。
[#ここで字下げ終わり]

 ショールを買う金を貯める事を考えたら、ゼントリョウエン[#「ゼントリョウエン」に傍点]なので割引きの活動見に行く。フィルムは鉄路の白バラ。
 途中雨が降り出したので、活動から飛び出すと店に行く。
 お母さんは茣蓙をまるめていた。
 いつものように、二人で荷物を脊負って、駅へ行くと、花見帰えりの金魚のようなお嬢さんや、紳士達が、夜の駅にあふれて、藻のようにくねっていた。
 二人は人を押しわけて電車へ乗る。
 雨が土砂降りだ。いゝ気味だ。もっと降れもっと降れ。花がみんな散ってしまうといゝ。暗い窓に頬をよせて外を見ると、お母さんがしょんぼりと子供のように、フラフラしているのが写っている。
 電車の中まで意地悪がそろっているものだ。

 九州からの音信なし。

 四月×日
 雨にあたって、お母さんが風を引いたので一人で店を出しに行く。
 本屋には新ら
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