す。
卓子の酒の上に真紅《まっか》な口を開いて
火を吐いたのです
青いエプロンで舞いましょうか
金婚式、それともキャラバン
今晩の舞踏曲は……
さあまだあと三杯もある
しっかりしているかって
ええ大丈夫よ
私はお悧巧《りこう》な人なのに
本当にお悧巧なひとなのに
私は私の気持ちを
つまらない豚のような男達へ
おし気もなく切り花のように
ふりまいているんです
ああカクメイとは北方に吹く風か――
[#ここで字下げ終わり]
さてさてあぶない生胆《いきぎも》取り、ああ何もかも差しあげてしまいますから、二日でも三日でも誰か私をゆっくり眠らせて下さい。私の体から、何でも持って行って下さい。私は泥のように眠りたい。石鹸のようにとけてなくなってしまって、下水の水に、酒もビールも、ジンもウイスキーも、私の胃袋はマッチの代用です。さあ、私の体が入用だったらタダで差し上げましょう。なまじっかタダでプレゼントした方があとくされがなくてせいせいするでしょう。酔っぱらって椅子と一緒に転んだ私を、時ちゃんは馬のように引きおこしてくれた。そうして耳に口をつけて言った事は、
「新聞を上からかぶせとくから、少しつ
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